【こどもの水いぼ】プールは?取ったほうがいい?小児科医が解説
内科
小児科
公開日
更新日

こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。
🌀 こどもの体にブツブツが出てるけど、プールに入れる?
🌀 水いぼと言われたけど、取ってもらったほうがいい?
「水いぼ」は、肌に小さな盛り上がり(丘疹)ができるウイルス感染症です。
今はプールや登園の制限はなく、そのままでも自然に治る病気です。
今回のコラムでは、水いぼでもプールに入ってよい理由と、取るか取らないかの考え方を解説します。
このコラムをご覧いただき、プールの利用や治療を考える材料にしていただけるとうれしいです。
🔸 水いぼとは?ウイルスが原因の皮膚の病気
水いぼは、伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)という病気で、こどもに多い皮膚の感染症です。
良性で、命に関わるものではありません。
海外の調査をまとめた報告では、こどものおよそ10〜20人に1人にみられるとされています。
大きさは1〜5mmほどでつやがあり、わきの下や腕の内側にできやすいです。
痛みはほとんどなく、軽いかゆみが出る程度です。
🔸 どうやってうつるの?
うつるのは、おもに肌と肌がふれたときです。そばにいるだけではうつりません。
直接接触感染:きょうだいやお友だちと肌がふれ合う
間接接触感染:タオル、浮き輪、ビート板を共用する
海外の調査では、同じ家庭のお子さんの約4割にうつったと報告されています。
気をつけていても完全に防ぐのは難しい病気です。
防ぎきれないこともありますので、気にしすぎなくて大丈夫です。
🔸 プールに入れますか?生活の制限はありません
プールの水ではうつりません
水いぼが原因で園やプールをお休みする必要はありません。
日本小児皮膚科学会をはじめ3学会の統一見解でも、プールの水ではうつらないため入って構わないとされています。
ただし、タオルや浮き輪、ビート板の貸し借りは避けましょう。
園やスイミングスクールに独自の決まりが残っていることもあるので、通われている施設にもご確認ください。

広げないために家庭でできること
✅ タオル、浮き輪、ビート板は共用しない
✅ 数が多いときやじゅくじゅくしているときは衣類などで覆う
✅ お風呂やプールのあとはしっかり保湿する
✅ 爪を短く切る
部屋中の消毒は不要で、基本は手洗いで大丈夫です。
🔸 治るまでどのくらい?水いぼの経過
水いぼ一つひとつは数か月程度で治るといわれていますが、次々に新しくできるため、全部が治るまでには時間がかかります。
海外の調査では、平均13か月で治り、1年半の時点で約3割、2年でも約1割に残っていたと報告されています。
個人差が大きいのも特徴です。
赤みを帯びたり硬くなったりすると悪化したように見えますが、治る直前の変化のことがあります。
ただし、周りまで赤く広がる、汁が出る、痛がる場合は、かき壊した部分に細菌がついている可能性があるため、早めにご相談ください。

🔸 取るか、経過をみるか|当院での考え方と流れ
水いぼは、特に治療をしなくても自然に治る病気です。
プールに入ってよいとされた今は、急いで取る必要はありません。
一方で、増える前に取っておくという選択肢もあります。
早く治すために「ピンセットでつまんで取る」治療がありますが、少し痛く、お子さんが怖がることも少なくありません。
取ったあとに、あとから新しい水いぼが出てくることもあります。
増えてくる前に取るのも選択肢の一つ
ただ、自然に治るとはいえ、時間がかかります。
かゆみなどの症状で困っているのなら、取るのもよいでしょう。
水いぼは人から人にうつるだけでなく、体のあちこちに増えていくことがあります。
とくにアトピー性皮膚炎など、肌がデリケートなお子さんは増えやすいので注意が必要です。
5〜6個くらいなら痛みに耐えることができても、10個、20個となるとつらくなることがあります。
今では麻酔テープを事前に貼ることで、痛みを減らすこともできます。
処置を希望する場合は、数が少ないうちの方が、1回の処置時間を短くできることがあります。
数が増える前に取るのも、方針の一つかもしれません。
水いぼの治療には他にもいくつか選択肢があります。
ご自身で調べて気になるものがあれば、診察のときにご相談ください。
どんな方針がよいかは、一緒に決めていきましょう。
当院での流れ
当院で水いぼをつまんで取る場合は、事前に診察をして、当日は麻酔テープを使ってから処置を行います。
麻酔テープは効き始めるまでに時間がかかるため、受診の1時間ほど前にご自宅で貼っていただくとスムーズです。

当院では小児科医もお子さまの皮膚の病気を診察しており、水いぼの診断と麻酔テープの処方は小児科でも行えます。
一方で、つまんで取る処置を行っているのは、皮膚科医が対応する「皮膚科専門外来」です。
先に小児科で診断と麻酔テープの処方を済ませ、皮膚科専門外来の日に麻酔テープを貼ってくると、スムーズに処置できます。
▶︎ 診療カレンダーはこちら
🔸 よくあるご質問
Q. きょうだいにうつらないよう、別の部屋で寝かせたほうがいいですか?
A. そこまでする必要はありません。うつるのは直接ふれたときなので、洋服で隠れている部位なら一緒に寝ても大丈夫です。タオルの使い回しは避けたほうがよいですが、ご家族だと感染してしまうこともあります。神経質にならなくて構いません。
Q. 一度取ったのに、また出てきました。治っていないのでしょうか?
A. 取り残しではありません。ウイルスがついてから見えるまで2〜6週間かかるため、すでにうつっていた分が遅れて出てきます。海外の調査では1回の処置で約7割、2回目までに多くが治ったと報告されています。
🔸 まとめ|あわてなくて大丈夫。夏を楽しく過ごすために
水いぼは、そのままにしておいても自然に治ることがほとんどです。
プールや登園の制限もありません。
水いぼを取るか、経過をみるか。どちらにも良い面と負担があります。
<経過をみる>
⭕️痛い思いをせずにすみます
❌️治るまでに時間がかかり、増えることがあります
<つまんで取る>
⭕️数が少ないうちなら、お子さんの負担も少なく済みます
❌️少し痛みがあり、あとから新しく出てくることもあります
数やかゆみ、生活への影響をふまえて、一緒に決めていきましょう。
このコラムが、水いぼで迷っているご家庭の参考になればうれしいです。
【参考文献】
日本小児科学会「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2025年4月改訂版)
こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」
Olsen JR, Gallacher J, Piguet V, Francis NA. Epidemiology of molluscum contagiosum in children: a systematic review. Fam Pract. 2014;31(2):130-136.
Chen X, Anstey AV, Bugert JJ. Molluscum contagiosum virus infection. Lancet Infect Dis. 2013;13(10):877-888.
Olsen JR, Gallacher J, Finlay AY, Piguet V, Francis NA. Time to resolution and effect on quality of life of molluscum contagiosum in children in the UK: a prospective community cohort study. Lancet Infect Dis. 2015;15(2):190-195.
日本皮膚科学会「皮膚の学校感染症に関する統一見解について」
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会「皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」(平成25年5月)
Butala N, Siegfried E, Weissler A. Molluscum BOTE sign: a predictor of imminent resolution. Pediatrics. 2013;131(5):e1650-e1653.
Maeda-Chubachi T, et al. Berdazimer gel for molluscum contagiosum. JID Innov. 2021;1(3):100019.
Leung AKC, Barankin B, Hon KLE. Molluscum Contagiosum: An Update. Recent Pat Inflamm Allergy Drug Discov. 2017;11(1):22-31.
マルホ株式会社「ペンレステープ18mg」添付文書
Harel A, Kutz AM, Hadj-Rabia S, Mashiah J. To Treat Molluscum Contagiosum or Not—Curettage: An Effective, Well-Accepted Treatment Modality. Pediatr Dermatol. 2016;33(6):640-645.