とどろきLAクリニック - 内科・小児科・外科・皮膚科

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コラム

こどものアレルギー検査は必要?採血の前に知っておきたいこと 

小児科

公開日

2026.10.1

更新日

2026.10.6

診察室で母親と女の子が笑顔で座り、白衣を着た医師が身振りを交えながら説明している様子

こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。

🌀 血液検査をすれば、アレルギーの原因がわかる?

🌀 何も症状はないけど、アレルギー症状がないか不安だから、念のため調べておいたほうがよい?


アレルギーの血液検査についてわからない、知りたいと思ったことはありませんか?


血液検査は、アレルギーの原因を考える手がかりになることはあります。

一方で、血液検査だけで「アレルギーかどうか」や、症状の重さが決められるわけではありません。

陽性でも症状が出ないことがあり、陰性でもアレルギーを完全には否定できないため、検査を受ける目的を考えることが大切です。

特にこどもでは、採血の痛みや不安に見合う情報が得られるかを先に考えたいところです。


今回は、検査でわかることの限界と、必要性を医師と相談するときの考え方をお伝えします。

🔸 血液検査だけでは、アレルギーは判断できません

当院で行っているアレルギー検査は、採血で「特異的IgE抗体」を調べる検査です。

花粉や食品など、特定の物質に反応する抗体があるかを確認します。


ただし、陽性(抗体がある)からといって、その物質で症状が出るとは限りません。

たとえば、ふだんは問題なく食べている食品でも陽性になることがあります。

また、数値が高いからといって症状が重いとは限らず、低くても強い症状が出ることがあります。


結果を気にして食べるのをやめると、必要のない食事制限につながりかねません。

「念のため、たくさん調べる」ことが、お子さんのためになるとは限らないのです。


一方、陰性(抗体がない)でもアレルギーではないとは言い切れません。

血液検査で調べているのは、血液の中の抗体です。アレルギーの反応が、鼻や腸などに限定して起きている場合は、血液検査だけで症状の原因を十分に説明できない場合があります。

血液検査の結果にかかわらず、安全に食べられるかどうかは、これまでの症状や食べたときの状況をもとに医師が判断します。

症状がある場合、自己判断で食べさせず、まずは医師にご相談ください。


診断は、病歴や家族歴、症状の再現性などを診察で確認して総合的に行います。

「検査結果、こう読み取っていませんか?」を示す図解。陽性(抗体がある)は必ずしもアレルギーとは限らず、ふだん食べていても陽性になることがあること、陰性(抗体がない)は必ずしもアレルギーではないとは限らず、陰性でも症状が出ることがあることを、子どものイラストで示している。「食べてよいかは、これまでの症状とあわせて医師が判断します」との記載あり

🔸 どんなときに検査をするか

基本の考え方

🌀 陽性でもアレルギーとは限らず、陰性でも否定できないなら、どんなときに検査をするの?


こう感じてしまいますよね。

お子さんにとって、採血の負担は大人より大きいものです。

そのため当院では、採血の負担をかけてでも、結果が治療や生活の工夫に役立つかを判断軸にしています。


まず、症状がまったくないのに検査をすることはおすすめできません。

陽性でも症状がなければ除去する必要はなく、陰性でも食べて大丈夫とは言い切れないからです。


また、咳やゼーゼーする呼吸、湿疹、季節ごとの鼻水があるからといって、一律にアレルギーの血液検査をすすめるわけではありません。いずれも検査結果によって治療が変わることがほとんどないからです。

食物アレルギーで実際に食べさせて確かめるのが難しい場合

検査は、過去の症状と合わせて原因を考える手がかりにすぎません。

食物アレルギーの診断で重要なのは「実際に食べたときに、繰り返し同じ症状が出るか」です。


ただし、呼吸の苦しさなど全身に急な症状が出る「アナフィラキシー」を起こした場合は、もう一度食べて確かめるのは危険です。家庭では食べさせないようにしましょう。

そのため、採血で間接的に原因を推定することが役立ちます。


アナフィラキシーほどではなくても、食後に咳や嘔吐などが出て、食べて確かめるのが難しい場合は、食品によっては血液検査を参考にすることがあります(検査項目にない食品は調べられません)。


なお、息がひどく苦しそう、唇が紫色といった場合は、予約を待たず119番へ連絡してください。

舌下免疫療法が行えるか確認するため

花粉症の治療には、主に次の2種類があります。


抗ヒスタミン薬による治療:アレルゲンそのものを取り除くのではなく、ヒスタミンという症状を起こす原因物質の働きを抑え、鼻水やくしゃみなどの症状をやわらげる治療

舌下免疫療法:スギあるいはダニのアレルギーにかかわる成分を含む薬を舌の下に置き、身体を成分に慣れさせる治療


抗ヒスタミン薬であればアレルギーの検査をしなくても医師の判断で治療をすることが可能です。

その一方で、舌下免疫療法を行うためには、スギあるいはダニにアレルギーがあるかを確認する必要があるため、病歴聴取だけでなく検査が必要です。


当院でも、スギ花粉・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法を保険診療で行っており、5歳以上のお子さんも対象です。

ただし、年単位で毎日薬を続ける治療のため、お子さん自身が続けたいと思えることが欠かせません。長く続けるのが難しい場合は、採血の負担だけが残ってしまいます。

検査を受けるかどうかは、治療を続けられそうかもあわせて考えることが大切です。

お子さんの様子や自宅での状況をうかがいながら、一緒に考えていきましょう。

「検査が役立つ場面」を示す図解。食べて確かめるのが難しい場合と、舌下免疫療法を検討する場合の2つを親子と医師のやり取りで紹介。「症状・治療の目的から医師が判断」との記載あり

🔸 検査の必要性を考えるために、教えてほしいこと

診察では、検査結果だけではわからない日々の様子が手がかりになります。

受診前に、次の情報をわかる範囲でまとめてみてください。


✅️ 本人・家族の病歴:喘息・アトピー性皮膚炎・花粉症、食べ物や薬のアレルギーがあるか。

✅️ 食事との関係:何を、どのくらい食べ、何分・何時間後に、どんな症状が出たか。以前にも同じことがあったか。

✅️ 鼻・目の症状と生活環境:どの季節、どの場所で出やすく、どのくらい続くか。自宅でタバコを吸う人がいるか、動物を飼っているか。

✅️ これまでの対応:使った薬と症状の変化、お薬手帳、過去の検査結果、症状が出たときの写真や動画。


記録がそろっていなくても、覚えていることから聞かせてください。

「受診時に伝えたいこと」を示す図解。「本人・家族の病歴(アレルギー・持病)」「食事と症状(何を・どのくらい・いつ)」「症状と生活環境(季節・場所・喫煙・ペット)」「これまでの対応(薬・検査結果・写真)」の4項目を紹介。「わかる範囲で大丈夫です」との一言が添えられている

🔸 医師が必要と判断したのなら、採血検査は乳児期から可能です

お伝えしてきたように、アレルギーの診療では血液検査をしなくても行える治療もあります。

それでも、医師が医学的に必要と判断すれば、小さなお子さんでも採血による検査は可能です。

当院でも乳児の採血に対応しています。

年齢だけを理由に相談を先延ばしにせず、症状をお聞かせください。


検査をする場合は、保護者への説明に加え、理解できる年齢のお子さんには本人にもわかる言葉で目的を伝え、怖さや不安にも配慮します。

🔸 まとめ|検査が必要かどうかも含めて、まずはご相談ください

アレルギーの血液検査でわかることの限界と、検査が必要になる場面を解説しました。

検査をしない選択も含めて、お子さんに必要な対応を考えることが診療の役割です。


「検査を受けさせたほうがよいのかな?」と悩んでいる場合も、まずはお気軽にご相談ください。

困っている症状や気になっていることから、一緒に考えていきましょう。


▶︎ 【等々力駅 徒歩4分】Web予約はこちら


このコラムが、検査を受けるか迷う保護者の方にとって、相談のきっかけになればうれしいです。


【参考文献】

  1. 日本アレルギー学会 アレルギーポータル. アレルギー検査について.

  2. Anvari S, Miller J, Yeh CY, Davis CM. IgE-Mediated Food Allergy. Clin Rev Allergy Immunol. 2019;57(2):244-260.

  3. Boyce JA, Assa'ad A, Burks AW, et al; NIAID-Sponsored Expert Panel. Guidelines for the diagnosis and management of food allergy in the United States: report of the NIAID-sponsored expert panel. J Allergy Clin Immunol. 2010;126(6 Suppl):S1-58.

  4. 食物アレルギー研究会. 食物アレルギーの診療の手引き2023「診断」.

  5. 食物アレルギー研究会. 食物アレルギーの診療の手引き2023「食物経口負荷試験」.

  6. World Health Organization. WHO Guidelines on Drawing Blood: Best Practices in Phlebotomy. Chapter 6: Paediatric and neonatal blood sampling. Geneva: WHO; 2010.

  7. American Academy of Allergy, Asthma & Immunology (AAAAI). Allergy Testing.

  8. 日本アレルギー学会アレルギーポータル. アレルギー性鼻炎.

  9. Donnell AT, Grammer LC. An overview of allergens. Allergy Asthma Proc. 2004;25(4 Suppl 1):S2-4.

  10. American Academy of Otolaryngology–Head and Neck Surgery Foundation (AAO-HNSF). Clinical Practice Guideline: Allergic Rhinitis – Press Release & Fact Sheet. 2015.

  11. 日本アレルギー学会. アレルゲン免疫療法の手引き2025. 2025.

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