とどろきLAクリニック - 内科・小児科・外科・皮膚科

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コラム

フルミストとは?注射のワクチンとの違い・効果・副反応を解説 

小児科

公開日

2026.9.21

更新日

2026.10.6

こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。

🌀 フルミストって、実際どうなの?
🌀 注射のワクチンよりも効果がある?
🌀 副反応がひどくないか心配…


こんなことが気になっていませんか?


鼻から接種するインフルエンザワクチン「フルミスト」は、2024年10月に販売が始まった比較的新しい選択肢です。日本では2歳以上19歳未満が対象となります。


注射する痛みがないことから、気になっている方も多くいらっしゃるでしょう。


今回のコラムでは、フルミストの特徴や効果、選ぶ前に知っておきたいことをご紹介します。

🔸 インフルエンザワクチンとは?

インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発症や、かかった場合の重症化を防ぐためのワクチンです。


効果の程度は、年齢や、流行するウイルスとワクチンの一致度などによって異なります。


また、接種によって得られた免疫は時間とともに弱まり、流行するウイルスも変化するため、毎年の接種をおすすめしています。

🔸 フルミスト︎とは?

フルミストは、鼻にスプレーするインフルエンザワクチンです。病気を起こす力を弱めたウイルスが鼻の奥の粘膜で増えることで、免疫の働きを促します。お子さんにとっての最大の利点は「針を刺す痛みがないこと」です。


ここからは、注射のワクチンとの違いや、フルミストの効果や持続期間について、詳しくお話ししていきます。

注射ワクチンとの違い

注射のワクチンとフルミストの主な違いは、次のとおりです。

比較項目

注射のワクチン

フルミスト

接種方法

皮下に注射

鼻にスプレー

ワクチンの種類

不活化ワクチン
→ 感染性や毒性をなくしたウイルスの成分を使う

生ワクチン
→ 病気を起こす力を弱めたウイルスを使う

対象年齢

生後6か月以上

2歳以上19歳未満

接種回数

13歳未満:通常2回※
13歳以上:通常1回

1回

※ お子さんの状況によっては、1回の接種でも十分な効果が期待できる場合があります。当院では、お子さんの年齢や体調、生活環境を踏まえたうえで、接種方法をご相談いただけます。


それぞれの接種費用は、医療機関や各自治体の助成の有無によって異なります。


一般的には、フルミストのほうが1回あたりの費用が高い傾向です。当院での料金については、お知らせをご覧ください。

効果と持続期間

フルミストの効果は、注射のワクチンとほぼ同じと考えていただいて構いません。厳密には、流行するウイルスの型は年によって異なるため、ワクチンとの相性で差が出ることもあります。


ただ、期待できる効果が同程度であれば、お子さんにとって「針を刺す痛みがない」というメリットは大きいと考えています。そのため、当院では接種できる条件を満たすお子さんに、フルミストをおすすめする機会が多くあります。


なお「フルミストのほうが長く効くんですよね?」「1年間効果が続くと聞きました」といったお声をいただくことがあります。しかし、私が調べた限り、それを裏づけるデータは確認できませんでした。


当院では「効果がより長く続くから」という理由のみで、フルミストを選ぶ必要はないと考えています。


副反応

フルミストと注射のワクチンでは、出やすい副反応に違いがあります。


フルミストは、病気を起こす力を弱めたウイルスを使う「生ワクチン」なので、接種後に鼻水・鼻づまりなど、インフルエンザにかかったような風邪症状が出ることがあります。

ワクチン

主な副反応

フルミスト

鼻水・鼻づまりが出やすく、咳・のどの痛み・発熱などがみられることもある

注射のワクチン

接種した部分の赤み・腫れ・痛み、発熱など

どちらを接種する場合も、接種当日は激しい運動を控えましょう。


また、フルミストでは、接種当日や翌日よりも数日経ってから症状が出ることが多い傾向です。当日だけでなく、その後もお子さんの体調に変化がないか見てあげてください。


なお、高熱が出るなど、気になる症状があれば医療機関へご相談ください。全身のじんましんや息苦しさが現れた場合は、重いアレルギー反応の可能性があるため、すぐに受診が必要です。

フルミスト︎に年齢制限がある理由

🌀 どうして2歳未満はダメなの? 
🌀 大人は受けられないの?


そう思った方もいるかもしれません。


海外には成人にもフルミストを使用している国がありますが、日本での対象は2歳以上19歳未満です。


2歳未満では、海外の試験で呼吸の異常や入院が増える傾向が報告されているため、安全面を考えて対象外となっています。


また、成人では、過去のインフルエンザ感染などで身につけた免疫がウイルスの増殖を抑え、子どもに比べて十分な効果が得られないことが示されています。

🔸 フルミストを選ぶ前に知っておきたいこと

ここまでご覧になって、フルミストが気になってきた方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、フルミストを選ぶ前に知っておきたいことについて、お話ししていきます。

持病やアレルギーがある人は要相談

免疫の働きが低下していると、弱めたウイルスでも体内で増えすぎてしまうおそれがあります。そのため、免疫の働きが低下する病気がある子や、免疫を抑える治療を受けている子は接種できません。


フルミストの接種後には、咳やゼーゼーする症状が出ることがあります。風邪を引くとゼーゼーしやすい子や、喘息発作を頻繁に起こす子は、接種を控えたほうがよいかもしれません。特に重い喘息や、現在症状がある場合は接種を控えることがあります。


「フルミストは卵アレルギーがあると受けられない」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、卵アレルギーだけで一律に接種できなくなるわけではありません。食べ物や薬へのアレルギーがある場合や、過去の予防接種でじんましん・息苦しさなどが出たことがある場合は、診察時にお伝えください。


また、フルミストの接種前後にタミフルなどのインフルエンザの治療薬を使うと、ワクチンの効果が弱まることがあります。接種の前後に、インフルエンザ治療薬を使った場合は、医師に相談しましょう。

子どもの意思も大切に

お子さんのワクチン接種では、お子さんの意思も大切にしてあげてください。
年齢にもよりますが、「注射のワクチンと鼻のスプレー、どちらがよさそう?」と、本人の気持ちも聞いてみましょう。


年齢が上がると、鼻水・鼻づまりや発熱などを避けたいという理由で、注射のワクチンを希望する子もいます。

🔸 インフルエンザワクチンのよくある質問

最後に、日々の診療でよく寄せられる「いつ受ければいいの?」という疑問にお答えします。

インフルエンザワクチンを接種するタイミングに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q:受験生はいつ接種する?

A. そのシーズンの接種が始まったら、早めに受けることをおすすめします。


試験当日だけでなく、模試や受験勉強の時期も、インフルエンザに感染するリスクはあります。また、ワクチンを接種してから免疫がつくまでには、2週間ほどかかります。


受験期を通して備えられるよう、余裕を持った接種をご検討ください。


なお、受験直前の追加接種はおすすめしていません。必要な回数の接種に加えて、マスクや手洗いなども組み合わせて予防することが大切です。

Q:感染後も接種は必要?

A. 別の型のインフルエンザにかかる可能性があるため、そのシーズンにまだ接種していなければ、感染後も接種したほうがよいとされています。


当院では、体調の回復やインフルエンザ治療薬の影響を考慮し、インフルエンザにかかった後は3週間後からの接種をご案内しています。

🔸 まとめ|子どもに合った接種方法を選ぼう

今回は、フルミストの特徴や、注射ワクチンとの違いについてお話ししました。


それぞれの違いを知ったうえで、お子さんの健康状態や本人の気持ちに合わせて、ご希望の方法を選んでいただけたらと思います。


当院では10月・11月に、予防接種専用の「キッズワクチンタイム」を設けています。保護者の方も同じ時間に接種できるため、親子での予防接種にご利用いただけます。


🌀 フルミストを接種したい
🌀 接種時期や回数に迷っている


そんな方も、どうぞお気軽にご相談ください。


▶︎ 【東京都等々力駅徒歩4分】ご予約はこちら


少しでも参考にしていただければうれしいです。

では、次回のコラムもお楽しみに!


【参考文献】

  1. 第一三共.フルミスト点鼻液 医薬品インタビューフォーム.2026.

  2. 日本小児科学会.経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方.2024.

  3. 厚生労働省.インフルエンザワクチン(季節性).

  4. 日本小児科学会.予防接種スケジュール.

  5. 日本小児科学会.2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防指針.

  6. American Academy of Pediatrics, Committee on Infectious Diseases.Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2026–2027: Technical Report.Pediatrics.2026.

  7. Stuurman AL, et al.Real-world effectiveness of live attenuated influenza vaccines (LAIV) and inactivated influenza vaccines (IIV) in children from 2003 to 2023: a systematic literature review and network meta-analysis.Expert Rev Vaccines.2025;24(1):703–725.

  8. Belshe RB, et al.The efficacy of live attenuated, cold-adapted, trivalent, intranasal influenzavirus vaccine in children.N Engl J Med.1998;338(20):1405–1412.

  9. CDC.Interim Clinical Considerations for the Use of Seasonal Influenza Vaccines in the United States.

  10. Grohskopf LA, et al.Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines—United States, 2022–23 Influenza Season.MMWR Recomm Rep.2022;71(1):1–28.

  11. UKHSA.Flu vaccination programme: information for healthcare practitioners.

  12. DailyMed.FluMist prescribing information.

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