ヘルパンギーナの症状とは?感染経路・家庭でのケア・登園の目安を解説
内科
小児科
公開日
2026.8.21
更新日
2026.8.21

こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。
🌀 こどもが急に発熱し、口の中を痛がっている
🌀 食欲がなく、ほとんど食べてくれない
このように感じる方もいらっしゃると思います。
ヘルパンギーナは、乳幼児を中心に夏に流行しやすい感染症です。
口の中にできる発疹が痛み、食べにくくなることがあります。
この記事では、ヘルパンギーナの症状の経過と、家庭でもできる食べさせ方の工夫を解説します。
困ったときの目安としてご覧ください。
🔸 ヘルパンギーナとは?乳幼児に多い夏の感染症
ヘルパンギーナは「夏かぜ」の一種です。
原因となるウイルスにはいくつかの種類があり、流行するウイルスは年により変わります。
ほとんどは自然に回復しますが、特に注意したいのは脱水症です。
熱でぐったりしたり、口の痛みのために水分がとれなくなったりすると、脱水症になることがあります。
🔸 ヘルパンギーナの主な症状と経過
感染してから2〜4日ほどで次のような症状が現れます。
突然の発熱
のどの痛み
口の奥にできる水ぶくれや口内炎
食欲不振、全身のだるさ
嘔吐、下痢
発熱は2〜4日ほどで改善することが多いですが、のどの痛みが強く、飲んだり食べたりするのがつらくなることがあります。
小さなお子さんは痛みをうまく言葉で伝えられません。
「いつもより食べない・食べたものを口から出してしまう」や「不機嫌になる」などといった変化から気づくこともあります。
🔸 ヘルパンギーナと手足口病は違う病気?
ヘルパンギーナと手足口病は、どちらもエンテロウイルス属による感染症で、原因となるウイルスの一部が共通しています。また、症状もよく似ています。
厳密には、ヘルパンギーナでは水ぶくれが口の奥に出やすいとされています。
一方で実際の診療では、「のどだけに発疹があればヘルパンギーナ」、「口だけでなく、手足にも発疹が出れば手足口病」と診断されることも多いです。最初はヘルパンギーナと診断されても、数日後に手足の発疹で手足口病とわかることもよくあります。
また、似ているのは症状だけではありません。
<ヘルパンギーナと手足口病の似ている特徴>
早く治す特効薬がない
熱やのどの痛みで水分がとれなくなることに注意が必要
熱が下がり、普段どおりに食事がとれれば登園・登校を再開できる
唾液や便を触った手からうつる
こうした点から、家庭での対応において、ヘルパンギーナと手足口病を厳密に区別するのは重要ではありません。
大切なのは病気を細かく見分けることよりも、水分がとれているか、元気があるかを見ることです。
▶︎ 関連記事「【手足口病】こどもの症状と感染経路|いつまでうつる?登園の目安」

🔸 感染経路・家庭での対策・登園の目安
ヘルパンギーナのうつり方の中心は、手足口病と同じ接触感染や飛沫感染なので、ご家庭での感染予防対策も同じです。
ヘルパンギーナの感染経路と家庭での対策
主に唾液や便に触れた手、食器、おもちゃなどを介して口から感染します。
家庭での対策として大切なのは、次の2点です。
石けんでの手洗い
咳があるのならマスクの着用
なお、アルコール消毒はヘルパンギーナの原因ウイルスには効果が低いとされています。
ただし、症状がない人や治った人からもしばらくウイルスが出るため、家庭内で完全に防ぐのは難しいのが現状です。
また、主に5歳未満に多い病気ですが、大人がかかることもあります。
登園の目安
ヘルパンギーナは、手足口病と同様に「発症後○日休む」といった一律の決まりはありません。
厚生労働省のガイドラインによれば、熱が下がり普段どおりに食事や水分がとれている状態であれば、登園・登校を再開できるとされています。
ただし、登園届の要否などは園や自治体によって異なるため、通園先に確認してください。
また「ヘルパンギーナと診断された後、手足に発疹が出てきた(手足口病になった)」ということも珍しくありません。ですが、診断名が変わっても、治療(手足の発疹に治療は不要です)・再診の目安・登園の基準はいずれも変わりません。
症状が落ち着いているのであれば、発疹の確認だけのために、無理に再受診いただかなくてもよいでしょう。
🔸 家庭でのケア|熱・痛み・食べられないとき
熱やのどの痛みがつらいとき
ヘルパンギーナには特別な治療薬はないので、症状をやわらげながら回復を待ちます。
こどもでは、解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェン(カロナール®など)を使うことが多いです。
熱を下げるだけでなく、痛みをやわらげる目的でも使います。
解熱鎮痛薬に病気を治す効果はなく、効き目も一時的な対症療法にすぎません。
使用する目的は、痛みやつらさをやわらげて機嫌をよくすることで、その間に水分や睡眠をとりやすくすることにあります。
すでにぐっすり眠れているなら、無理に使う必要はありません。
逆に、熱が高くなくても水分がとれないときは、使ったほうがよいでしょう。
解熱鎮痛薬は前回の使用から6〜8時間ほどあける必要があり、1日3回までとされることが多いお薬です。飲んですぐ効くわけではなく、効き始めるまでに1時間ほどかかります。
使える回数が限られるため、食事や睡眠の少し前に使うと効果的です。
使うお薬と量は医師や薬剤師にご確認ください。
食べられない・飲めないときの工夫
口が痛いときは次のものを参考に、食べやすいものから試してみましょう。
ただ、あくまでも参考です。
離乳食をすすめている最中だったり好き嫌いがあったりと事情はさまざまですし、機嫌が悪いと食べさせるのも一苦労です。
実際に食べられるものなら何でも構いません。
食べやすいもの | プリン、ゼリー、ヨーグルト、素麺、うどんなどの麺類、豆腐、アイスクリーム、果物 |
避けたいもの | 熱い汁もの、オレンジなど柑橘系のジュース、塩気の強いスープ、せんべい・トーストなど硬いもの、クッキー・カステラなど乾いてパサパサするもの |
水分をとらせる場合は、水やお茶よりもジュースやスープなど味のあるものをおすすめしています。
水やお茶に比べて吸収がよいのと、すこしでも糖分や塩分も摂取できるためです。
コップで飲めないときは、スプーンで少量ずつ試してみてください。
離乳食を食べている月齢のお子さんの場合は、少しやわらかい形態にすると食べてくれることもあります。
固形物がとれないときは、ミルクだけにしても構いません。
少ない量しか食べられないのなら、回数を増やすことを意識しましょう。

早めに受診したいサイン
次のようなときは、様子を見ずにご相談ください。
水分がとれない
半日以上おしっこが出ていない、色が濃い
唇や口の中が乾いている、泣いても涙が出ない
元気がなく横になったまま、呼びかけへの反応が鈍い
熱が4日以上続く
年齢の低いお子さんは、年齢の高いお子さんよりも早めの受診をご検討ください。
🔸 よくあるご質問
Q. 口が痛くて食べられません。空腹のまま解熱鎮痛薬を使ってもよいですか?
A. 食後の内服のほうが望ましいですが、先に痛みをやわらげることで飲食しやすくなることもあります。口の痛みで食べられないのであれば、空腹時でも使用を控える必要はありません。
Q. 口が痛くて薬を飲んでくれません。どうすればよいですか?
A. 坐薬(座薬)という選択肢があります。飲み薬が難しいときは、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
無理に薬を飲ませようとすると、吐いてしまったり、薬をいやがるようになったりすることもあります。どうしても難しいときは、いったん中断して構いません。
🔸 まとめ|手足口病とほぼ同じ、水分がとれているかを見ましょう
ヘルパンギーナは、突然の発熱とのどの痛み、口の奥の水ぶくれが特徴です。
簡単に言えば、手足に発疹のみられない手足口病のような病気で、ご家庭での対策や登園の目安などで両者を区別する意味はほとんどありません。
食べられないときは原則にこだわらず、お子さんが食べられるものを中心に与えてください。水分がとれない、おしっこが出ない、元気がなく反応が鈍いときは、脱水の心配がありますので早めにご相談ください。
では、次回のコラムもお楽しみに!
【参考文献】
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