転んだ・打った・切った・やけどした|子どものケガの正しい応急処置
小児科
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こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。
🌀 子どもがケガをした。まず何をすればいい?
🌀 打撲とやけどは、同じように冷やしていい?
子どもはよく動くぶん、転んだり、ぶつけたりして、ケガをする機会が少なくありません。
いざというときに落ち着いて対応するには、ケガの種類に応じた対応を知っておくことが大切です。たとえば、擦り傷・切り傷・打撲・やけどでは、優先したい応急処置や避けたい対応が異なります。
今回のコラムでは、子育て中のご家庭で知っておきたい応急処置を、一緒に整理していきましょう!
🔸 ケガによって応急処置は異なる

子どもがケガをしたら、まず周囲の安全とお子さんの様子を確認します。そのうえで、傷の汚れ、出血、痛み、腫れなどに合わせた対応をしましょう。
次の表は、身近な4種類のケガについて、家庭で最初に行いたいことと避けたい対応をまとめたものです。
ケガの種類 | ⭕️ 最初に行いたいこと | ❌ 避けたい対応 |
|---|---|---|
擦り傷 | 流水で汚れを洗い流す | 消毒液をかけるだけで済ませる |
切り傷 | 血が出ていれば圧迫する | 血が止まらないのに放置する |
打撲(手足) | タオルに包んだ保冷剤で冷やす | 危険なサインがあるのに、冷やすだけで様子を見る |
やけど | すぐに流水で冷やす | 保冷剤や氷を直接当てる |
ここからは、これら4種類のケガの処置について、もう少し詳しくお話ししていきます。
🔸 擦り傷・切り傷の処置
擦り傷は転んだときにできることが多く、傷口に砂や泥が入りやすいのが特徴です。一方、はさみや刃物などによる切り傷は、傷が深くなることがあります。
どちらの場合も、まずは「出血の量」と「傷口の汚れ」を確認しましょう。
出血が多いときは止血を優先する
出血が多いときは、流水での洗浄よりも止血を優先しましょう。ガーゼや清潔な布を傷口に当て、上からしっかり押さえます。
血が勢いよく出る、圧迫しても大量の出血が続く、顔色が悪いといった場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
血がにじみ出てくる程度であれば、まず10分ほどを目安に圧迫を続けます。10分ほど圧迫しても出血が止まらない場合は、圧迫を続けたまま、できるだけ早く医療機関を受診してください。
流水で洗う
擦り傷や切り傷ができたときは、まず「水道の流水で、傷口についた砂や汚れを洗い流す」ことが基本です。
消毒液で拭くだけでは、傷に残った異物を取り除けません。洗っても取れない異物は、無理に取り除かず、医療機関で取り除いてもらいましょう。
また、動物にかまれたり、喧嘩や事故などで人の歯が当たったりして皮膚が破れた場合も、まず流水で傷口をよく洗います。こうした傷は感染のリスクが高いとされています。小さくても血が出るようなケガをした場合は、当日中に医療機関を受診してください。
キズパワーパッド®︎などの「ハイドロコロイド絆創膏」は傷の状態によっては有用ですが、使用の適した傷かどうかの判断は少し難しいので、応急処置として家庭で使用するのは避け、受診してから医師と相談するのがいいでしょう。
洗浄後の傷のケアについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。
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🔸 打撲の応急処置
身体を強くぶつけたときは、まずは「どこを打ったか」を確認してください。ぶつけた部位や状態に応じて、最初にやるべきことが異なります。
手足を打ったとき
手足に腫れや痛みがある場合は、患部を無理に動かさず安静にします。保冷剤や氷をタオルで包み、皮膚に直接当てないようにして10~20分程度を目安に冷やしましょう。
また、手足を打った場合は、できる範囲で患部を高く保つことで、痛みや腫れを抑えるのに役立ちます。ケガをしてから2〜3日は、座っているときや横になっているときに、クッションなどを使って患部を心臓より少し高い位置にしてみてください。
ただし、痛みやしびれが出る姿勢で、無理に続ける必要はありません。
手足を打ったあとに、歩けない、動かせない、強く腫れているといった場合は、骨折している可能性があります。骨が見えている、明らかな変形がある、自力で移動できないくらい痛みが強い場合は、患部を動かさずに救急車を呼びましょう。
頭・胸・お腹を打ったとき
頭や胸、お腹を打った場合は、見た目に大きな異常がなくても、身体の内側でケガをしている可能性があります。
急いで受診すべきサインや、各ケースの対応については、次の表を参考にしてみてください。
打った場所 | 所急いで受診すべきサイン | 受診を急ぐサインと対応 |
|---|---|---|
頭 | 呼びかけへの反応がおかしい、けいれんしている、出血が止まらない | すぐに救急車を呼ぶ |
繰り返し吐く、5cm以上のたんこぶや傷がある | 救急車を呼ぶか、すぐに救急外来を受診する | |
胸・お腹 | 呼吸が苦しそう、意識がもうろうとしている、嘔吐が止まらない | すぐに救急車を呼ぶ |
上記の症状がなくても、胸やお腹を強く打った | 早めに医療機関を受診する |
🔸 やけどは流水で冷やす
やけども四肢の打撲も、家庭では「冷やす」ことが最初の対応になりますが、冷やし方は同じではありません。やけどには水道の流水を使い、打撲にはタオルで包んだ保冷剤などを使います。

やけどをしたら、できるだけ早く患部を水道の水で20分ほど冷やしましょう。衣服が皮膚に貼りついている場合は無理に脱がさず、衣服の上から冷やします。自己判断で何かを塗る前に、まず冷却を優先します。
冷やす時間や受診の目安、水ぶくれができた場合の対応は、以下の記事で詳しく解説しています。
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🔸 受診を急ぐサイン
ここまでは、ケガの種類ごとに応急処置と受診の目安を説明しました。
しかし、実際には「どの種類のケガに当てはまるかわからない」「複数の場所をケガして、どこを優先すればよいかわからない」ということもあるかもしれません。
ここでは、これまで紹介した受診の目安を、緊急度別にまとめていきます。
すぐに救急車を呼ぶ
次のような症状がある場合は、自宅で様子を見たり、自力で医療機関へ向かったりせず、すぐに救急車を呼びましょう。
◻︎ 呼びかけに反応しない、意識がもうろうとしている
◻︎ ケガをした際にけいれんした
◻︎ 呼吸がおかしい、顔色が明らかに悪い
◻︎ 清潔なガーゼなどで圧迫しても、大量の出血が続く
◻︎ 手足が明らかに変形している、骨が見えている
◻︎ 広い範囲のやけど、または煙を吸ったあとに息苦しさや声のかすれがある
できるだけ早く受診する
次のような症状がある場合も、様子を見ず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
◻︎ 頭を強く打ったあとに、繰り返し吐く
◻︎ お腹を強く打ったあとに、強い痛みが続く、または痛みが強くなる
◻︎ 歩けない、または患部を動かせない
◻︎ 10分程度しっかり圧迫しても出血が止まらない
症状が時間とともに強くなっている場合は、受診を先延ばしにしないことが大切です。
当日中に受診する
緊急性が高くなくても、医療機関での処置が必要になるケガも存在します。次の場合は、当日中を目安に受診しましょう。
◻︎ 傷が深い、傷口が大きく開いている
◻︎ 傷口に異物が残っている可能性がある
◻︎ 血が出るくらい動物に噛まれた、人の歯がぶつかって血が出た
◻︎ やけどが子どもの手のひらより広い、水ぶくれがある、または顔・耳・首・手・足・関節にやけどをした
傷の状態や受診の緊急度を判断できない場合も、医療機関へ相談してください。
🔸 日頃から準備しておくと良いもの
子どもの急なケガに慌てないように、あらかじめケガの応急処置に必要なものや保管場所も確認しておくと安心です。
救急箱に入れておくもの
傷の保護や止血に使うものをまとめておくと、ケガをしたときにすぐ取り出せます。救急箱には、次のものを用意しておきましょう。
◻︎ 絆創膏
◻︎ 滅菌ガーゼ
◻︎ 医療用テープ
◻︎ 使い捨て手袋
◻︎ 白色ワセリン(洗浄後の浅い傷・やけどを保護するときに使用)
◻︎ 三角巾(圧迫止血や傷口の保護に使用)
救急箱は、保護者がすぐに取り出せて、子どもの手が届かない場所に保管します。使用期限や残量も定期的に確認しましょう。
救急箱以外に備えておくもの
救急箱に入らないものは、必要なときにすぐ使える場所へ分けて備えておきましょう。
◻︎ 清潔なタオル:止血や保冷剤を包むときに使用
◻︎ 保冷剤:冷凍庫に保管
◻︎ かかりつけ医や救急外来の連絡先
いざというときに探さずに済むよう、保管場所や連絡先を家族に共有しておくことも大切です。
🔸 まとめ|ケガをしたときにまずすること
子どものケガでは、種類に合った最初の対応を知っておくことが大切です。
🌀「傷の深さがよくわからない」
🌀「応急処置をしたけれど、このまま様子を見てよいか不安」
迷ったときは、お気軽にご相談ください。当院でも、擦り傷・切り傷・打撲・やけどなど、子どものケガを診察しています。(高度で専門的な処置が必要な場合は、適切な診療科や医療機関をご案内します。)
▶︎ 【東京都等々力駅徒歩4分】子どものケガの受診はWeb予約から
少しでも参考にしていただければうれしいです。
では、次回のコラムもお楽しみに!
【参考文献】
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総務省消防庁. 救急車利用ガイド.
こども家庭庁. もしもの時の「応急手当方法」.