とどろきLAクリニック - 内科・小児科・外科・皮膚科

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コラム

子どものやけどは、まず冷やす!正しい対処法と受診の目安

  • 小児科

公開日

2026.6.30

更新日

2026.6.29


こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。

🌀 子どもがやけどをした!どうすればいい?

🌀 水ぶくれは潰していいの?


お子さんがやけどをすると、頭が真っ白になってしまう方も多いのではないでしょうか。


やけどをしたときに、何よりも大切なことは「すぐに冷やすこと」です。


今回のコラムでは、やけどをした直後にすべきこと、病院に行く目安、自宅でのケアまでを、順番にわかりやすくお伝えしていきます。


🔸 子どものやけどの応急処置

やけどをしてしまったら、まず行ってほしいのが「すぐに冷やすこと」です。できるだけ早く、やけどをしてから数分以内を目安に、流水で20分ほど冷やしてあげましょう。


冷やすときは、水道水で十分です。お風呂場のシャワーや、キッチンの蛇口の水を使いましょう。 水の温度は、冷たすぎなくて大丈夫です。春や秋の水道水くらい、ずっと手に流し続けられるくらいの温度だとお考えください。


ここで気をつけたいのは、氷や保冷剤を直接当てないことです。過度に冷やしてしまうと、かえって皮膚を傷つけてしまうことがあります。


また、冷やしすぎにも気をつけてあげてください。特に赤ちゃんや小さなお子さんは身体が冷えやすく、長時間冷やすと低体温になることがあります。

皮膚が貼りついていなければ、衣服は脱がす

やけどをした部分に衣服がかかっているときは、衣服を脱がせてあげましょう。熱がこもった状態が続くことで、やけどが進んでしまうことがあるためです。


皮膚に貼りついて簡単に脱げないときは、無理に脱がさなくても大丈夫です。服の上から流水で冷やしましょう。

🔸 おすすめしない民間療法

やけどには、昔から伝わるさまざまな民間療法があります。


みなさんも「まずこれを試そう」と思いつくものもあるかもしれませんが、よかれと思って行ったことが、逆効果になってしまうこともあります。


代表的な民間療法と、おすすめできない理由は、次の通りです。

おすすめしない民間療法

理由

アロエ

◻︎ 感染のリスクがある
◻︎ 未精製のアロエには人体に有害な物質も含まれる

バター・油

◻︎ 有効性・安全性がはっきりしていない
◻︎ 熱を閉じ込め、やけどを悪化させる可能性がある
◻︎ 油性のため傷口の洗浄が難しくなる

味噌・醤油

◻︎ 有効性・安全性がはっきりしていない
◻︎ 傷にしみて痛い
◻︎ 色が濃くやけどの評価が難しくなる
◻︎ 発酵食品なので無菌ではない

歯磨き粉

◻︎ 有効性・安全性がはっきりしていない
◻︎ 正常な粘膜でもダメージを起こしうる
◻︎ 研磨剤が皮膚を損傷しうる

上で示した民間療法は、いずれも根拠がはっきりしないものばかりです。子どものやけどをしたら「流水で冷やす対応が確実」だと覚えておきましょう。

🔸 子どものやけどで病院に行く目安

お子さんがやけどをしたとき、病院に行くかどうかは「やけどの深さ」がひとつの判断材料になります。


やけどは、皮膚のどこまでダメージを受けたかによって3段階に分けられます。

ただし、やけどの深さの見極めは医師でも難しいものです。最初は軽く見えても、あとから深く進んでしまうことがあります。どうするか迷ったら受診するようにしましょう。


以下に、状態別の受診目安をまとめています。「すぐに救急車を呼ぶ/救急外来を受診するケース」「当日中に受診するケース」は、すみやかに受診してください。

受診目安

状態

すぐに救急車を呼ぶ
救急外来を受診するケース

◻︎ やけどの範囲が広い(お子さんの手のひら5枚分=体表面積の約5%が目安)
◻︎ 関節をまたぐやけど
◻︎ 顔・目・耳・鼻・口の周り・陰部のやけど
◻︎ 白っぽい、または黒く焦げたやけど(深いやけどの疑い)
◻︎ 痛みがない、または意識がぼんやりしている
◻︎ 煙や熱気を吸い込んだ可能性がある

当日中に受診するケース

◻︎ 水ぶくれができている
◻︎ 直径3cm以上の範囲
◻︎ 顔や関節の近く
◻︎ 乳児・幼児のやけど(皮膚が薄く、重症化しやすいため)
◻︎ 受傷から数時間後に、赤みや腫れが増している

自宅で様子を見てもよいケース

◻︎ 赤みだけで水ぶくれがない
◻︎ やけどの範囲が指先などごく小さい
◻︎ 流水で冷やして痛みが落ち着いた

やけどの痛みは、受傷から数日間は強く感じやすいとされます。痛みやヒリヒリ感がつらい場合は、アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)を内服することもできます。


自宅で様子を見る場合も、翌日以降に赤み・腫れが増したときは、迷わず受診してください。


また、口の周りのやけどや煙を吸い込んだ場合、24〜48時間後に息苦しさ・声のかすれ・よだれの増加・大きないびきといった症状が出ることがあります。こうした症状が出たら、夜間でも救急外来を受診しましょう。

どこを受診すればいい?

お子さんがやけどをしたときに、おすすめしたい受診先は「皮膚科」です。形成外科でも対応してもらえますが、お近くにあるケースは少ないかと思います。


どの診療科でも、まず電話で対応してもらえるか確認してから向かうと安心です。

🔸 病院で行う処置


お子さんがやけどをして病院に行くと、まずは傷口をしっかり洗います。これは、傷口をしっかり確認するため、そして感染を防ぐためです。十分に洗えたら軟膏を塗り、傷にくっつかない特殊なガーゼで覆います。


やけどをすると水ぶくれができることがありますが、大きな水ぶくれは、病院で処置を行います。

通院してケアを続ける

水ぶくれができるようなやけどでは、一度の受診では終わらず、しばらく通院しながらケアを続けていきます。


やけどをした後のケアで大事なことは「傷口をしっかり洗って感染を防ぐこと」です。感染を起こすと、治りが遅くなったり痕が残りやすくなったりするためです。病院では洗浄を行いながら、やけどが深くなっていないかも確認します。


痛がってお子さんが泣いてしまうなど、ご家庭での処置が難しい場合もありますので、慣れるまでは無理せず通院して治療していきましょう。

🔸 自宅でしてほしいケア

受診したあとは、病院の指示に従ってケアを続けましょう。


ここでは、一般的な自宅でのケア方法をご紹介します。

しっかり洗って感染を防ぐ

感染を防ぎ、早くきれいに治すため、1日1回は傷をしっかり洗うようにしましょう。


シャワーや水道水で洗い流し、ぬるぬるした部分は指の腹でやさしく落とします。汚れが強いときは、石けんの泡で洗っても構いません。


傷の周りが赤く腫れる・黄白色の膿が出る・痛みがぶり返す・発熱するといった感染のサインが出たら、受診してください。

傷は乾かさない

「傷口は乾かさないほうが早く治る」というのが、近年の医療の考え方です。これはやけどでも同じで、水ぶくれが破れたやけどは、傷口を潤った状態に保つことで治りを促すケアをしていきます。


当院では、傷をしっかり洗った後に、処方した軟膏を塗り、傷にくっつかない特殊ガーゼ(デルマエイド®など)を貼って保護するケアを続けていただきます。


軟膏の塗布とガーゼでの保護は、新しいピンク色の皮膚ができて、傷から透明な液体が出なくなるまで続けます。

水ぶくれは潰さない

水ぶくれは、ご家庭で潰さないようにしましょう。


水ぶくれの皮は、傷口を細菌から守る「ふた」の役割を果たしています。潰してしまうと傷口から細菌が入って感染しやすくなってしまいます。


もし自然に破れてしまった場合は、毎日のケアと同じ方法で、傷をしっかり洗い流しましょう。残った皮の処理は病院で行うため、無理に剥がさなくて大丈夫です。

🔸 やけど痕を残さないために


お子さんがやけどをすると、「どのくらいで治るのかな」「痕が残らないかな」と気になりますよね。


やけどが治るまでの期間は、深さによって変わります。


水ぶくれができず赤みだけのやけどは、1週間以内に、痕を残さず治ることがほとんどです。一方で、水ぶくれを伴うやけどは、2〜3週間ほどかかることが多く、痕が残るかどうかは深さによってさまざまです。


できたばかりの新しい皮膚は、とてもデリケートです。紫外線の影響を受けやすいため、数ヶ月から半年ほどは、帽子や衣類、日焼け止めなどで紫外線対策をしてあげましょう。あわせて、保湿ケアも続けます。処方された軟膏を医師の指示どおりに塗り、その後は市販のボディクリームなどで保湿するといいでしょう。


やけどをした場所の肌の色合いは、数か月から数年かけて少しずつ周りの肌になじみ、だんだん目立ちにくくなっていきます。通院を終えたばかりの頃は気になるかもしれませんが、焦らず紫外線ケアと保湿ケアを続けましょう。どうしても気になってしまう場合は、形成外科の受診をご検討ください。

🔸 まとめ|やけどの正しい対処法を知っておこう

お子さんがやけどをしたら、まずは流水で20分を目安に冷やしてあげてください。

やけどの深さの見極めは医師でも難しいため、どうするか迷ったら受診するようにしましょう。


当院では、小児救急の現場で経験を積んだ小児科医が、すり傷・切り傷・やけどなどのケガを診察しています。やけど痕が心配なケースや専門的な処置が必要な場合は、皮膚科医や適切な医療機関へのご紹介もしています。


🌀 子どもがやけどをした!どうすればいい?

🌀 水ぶくれは潰していいの?


そんなときは、お気軽にご相談ください。


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少しでも参考にしていただければうれしいです。 

では、次回のコラムもお楽しみに!



【参考文献】

  1. Maenthaisong R, et al. The efficacy of aloe vera used for burn wound healing: a systematic review. Burns. 2007;33(6):713-718.

  2. Cuttle L, et al. A review of first aid treatments for burn injuries. Wound Repair Regen. 2008;16(5):626-634.

  3. Morgan ED, Bledsoe SC, Barker J. Ambulatory management of burns. Am Fam Physician. 2000;62(9):2015-2026.

  4. Lanham JS, et al. Outpatient Burn Care: Prevention and Treatment. Am Fam Physician. 2020;101(8):463-470.

  5. American Heart Association, American Red Cross. 2024 Guidelines for First Aid. 2024.

  6. Kaparakou EH, Kanakis CD, Gerogianni M, Maniati M, Vekrellis K, Skotti E, Tarantilis PA. Quantitative determination of aloin, antioxidant activity, and toxicity of Aloe vera leaf gel products from Greece. J Sci Food Agric. 2021;101(2):414-423.

  7. American Burn Association. Burn First Aid.

  8. Battaloglu E, Greasley L, Leon-Villapalos J, Young A, Porter K; Faculty of Pre-Hospital Care & British Burn Association. Management of Burns in Pre-Hospital Trauma Care (Expert Consensus Meeting). 2019.

  9. Hettiaratchy S, Papini R. Initial management of a major burn: II—assessment and resuscitation. BMJ. 2004;329(7457):101-103.

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