睡眠時無呼吸症候群の治療法|CPAPとマウスピースをわかりやすく解説
内科
いびき
公開日
2026.2.11
更新日
2026.6.1

こんにちは、とどろきLAクリニック院長の漆畑です。
🌀 睡眠時無呼吸症候群と言われたけれど、どんな治療をするのだろう
🌀 治療を本当に続けられるのか心配
こうした不安は、治療を始める前の多くの方が感じています。
治療にはいくつかの方法があり、代表的なものがCPAP(シーパップ)療法やマウスピースです。
治療の目的は、無理をすることではありません。
自分に合った治療を選び、毎日の生活を少しでも楽にすることが大切です。
この記事では、それぞれの治療法の特徴をやさしく解説していきます。
「自分にはどんな治療が合いそうか」を考えるきっかけとして、気軽に読み進めてみてください。
🔸治療が必要な理由
この病気の治療が大切な理由は、「いびき」「眠気」の改善に加えて、合併症のリスクを減らすことにあります。
強い眠気による事故や生活の質の低下
睡眠時無呼吸症候群では、呼吸が止まるたびに眠りが浅くなるため、日中の眠気が起きやすくなります。
そのため、仕事中に集中できなかったり、運転中にヒヤッとしたりすることも。
大きな事故につながる前に、早めに治療を検討することが大切です。
高血圧・心臓病・脳卒中などのリスク
睡眠中に呼吸が止まると、体は危険な状態と認識して血圧を急激に上昇させるため、血管に慢性的なダメージが蓄積されます。
その結果、高血圧や動脈硬化、さらには脳梗塞や脳出血のリスクにつながるとされているのです。
体への負担は積み重なっているため、自覚症状がなくても注意が必要です。

🔸睡眠時無呼吸症候群の主な治療法を比較
睡眠時無呼吸症候群の治療には、いくつかの選択肢があります。
どの治療を選ぶかは、検査結果や症状、生活スタイルをふまえて判断します。
<治療法に関する簡易一覧表>
治療法 | どんな治療? | 治療適用の目安 |
|---|---|---|
CPAP | 寝ている間に空気を送り、気道を広げる治療 | 呼吸の乱れが強い場合 |
マウスピース | 下あごを前に出して、気道を確保する装置 | 呼吸の乱れが比較的軽い場合 |
手術 | のどや鼻の通り道を広げる治療 | 構造的な原因がある場合 |
治療法①:CPAP(シーパップ)

ゾーン株式会社. CPAP装置・マスクより引用
CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時無呼吸症候群の治療の中で、呼吸の乱れが強い場合に検討されることが多い方法です。
CPAP療法は、寝ている間にやさしい空気を送り、喉の奥の気道がつぶれないように支える治療です。
この空気の圧で、睡眠中の無呼吸や低呼吸を防ぎます。
検査の結果、呼吸の乱れが強いと医師が判断した場合は、保険適用です。
睡眠中の呼吸が安定しやすくなることで、朝の目覚めが楽になったり、日中の眠気が軽くなったりすると感じる方もいます。
一方で、普段つけないものを装着して眠るため、使い始めはマスクの違和感や音が気になると感じる方もいるのが実情です。
CPAP療法を続けるコツは、また次回のコラムでお話しします。
治療法②:マウスピース
マウスピース治療は、呼吸の乱れが比較的軽い場合に検討されることが多い治療です。
寝ている間に下あごを少し前に出すことで、舌のつけ根が後ろに落ち込みにくくなり、気道が確保されやすくなります。
マウスピース治療は、歯科にご紹介し、一人ひとりの口に合わせて作成・調整してもらいます。
治療法③:手術
扁桃が大きい、鼻の通りが悪いなど、空気の通り道に明確な問題がある場合は、手術が検討されることもあります。
ただし、手術は誰にでも行われる治療ではありません。
手術が必要かどうかについては、耳鼻咽喉科の先生にご紹介し、相談しながら判断しますので、ご安心ください。
🔸今日からできる生活改善のポイント
睡眠時無呼吸症候群の治療では、治療だけでなく、日々の生活を整えることも大切です。
生活習慣は、睡眠中の呼吸や治療の続けやすさにも影響するため、無理のない範囲で、できることから取り入れてみましょう。

体重管理
体重が増えると、首まわりや喉の奥に脂肪がつき、気道が狭くなりやすいです。
体重を大きく増やさないよう意識するだけでも、呼吸の負担を減らす助けになります。
横向き寝の活用
仰向けで寝ると、舌のつけ根が後ろに落ち込みやすくなり、横向きで寝ることで、気道がふさがりにくくなる場合があります。
クッションを使うなど、無理のない姿勢で横向きも試してみてください。
飲酒・喫煙の調整
お酒は、喉の筋肉をゆるめ、睡眠中の呼吸を妨げることがあります。
そのため、就寝前の飲酒を控えるだけでも、症状が軽くなる可能性もあるのです。
また、喫煙は気道の炎症を起こしやすいため、同様に睡眠中の呼吸を妨げると言われています。快適な睡眠という側面からも、喫煙は可能な範囲で控えるのが望ましいです。
生活リズムを整える
寝る時間や起きる時間が不規則だと、睡眠の質が下がりやすくなります。
毎日同じ時間帯に寝起きすることを意識するだけでも、体が休まりやすくなります。
🔸まとめ|治療は「生活を楽にするためのケア」
睡眠時無呼吸症候群の治療は、毎日の生活を少しでも楽にするためのケアです。
治療には選択肢があり、症状や生活スタイルに合わせて検討していきます。一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
治療や検査は、できるところから、無理のない形で進めていくことが大切です。
一緒に、より良い眠りを目指していきましょう。
【参考文献】
1. 厚生労働省.健康づくりのための睡眠ガイド 2023
2. 厚生労働省.睡眠時無呼吸症候群