血圧が高いのに症状がないのはなぜ?受診の目安と家庭での測り方
内科
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こんにちは、とどろきLAクリニック 院長の漆畑です。
🌀「健康診断で血圧が高めって言われたけど、体はなんともないんだよな…」
🌀「症状がなくても、病院に行った方がいいの?」
そんな疑問を持つ方もいると思います。
高血圧は、自覚症状がほとんどないことが多い病気です。そのため、元気に過ごせていても、血圧が高い状態が続いていないか確認することが大切です。
この記事では、症状が出にくい理由と受診の目安、家庭での血圧の測り方をお伝えします。
手元に健診結果票がある方は、ご自身の血圧の数値と見比べながら読んでみてください。
🔸 なぜ、血圧が高くても症状がないのか?
血圧は、血液が血管の壁を押す圧力です。この圧力が高くなっても、それだけで痛みやめまいなどが現れるとは限りません。
また、高い血圧による血管や心臓、腎臓への負担も、初めのうちは体調の変化として気づきにくいことがあります。
こうした、自覚症状が乏しいまま健康を損なうおそれがあることから、高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれています。
普段どおりに仕事や家事ができていても、高血圧が続いている場合があります。
「つらくなったら測る」のでは気づきにくいので、症状がないときにも血圧を確認することが大切です。
🔸 頭痛やめまいがあれば、高血圧なのか?
頭痛やめまい、肩こりは、高血圧以外にもさまざまな原因で起こります。
こうした症状だけで、血圧が高いかどうかは判断できません。
血圧が急激に著しく上がったときには、頭痛などが出ることもありますが、普段の体調と血圧の高さが一致するとは限りません。
症状が気になる方は、血圧の記録とあわせて、いつから、どのような不調があるかを医師に伝えてください。
「血圧のせいだろう」と自己判断せず、ほかの原因も含めて確認しましょう。
🔸 症状がなくても、血圧を下げる必要があるのはなぜ?
高血圧をそのままにすると、気づかないうちに脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や心不全、腎臓の働きが落ちる慢性腎臓病といった合併症が起こる可能性があります。
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早い段階で血圧の高さに気づいて対策を始めることが大切です。
日本高血圧学会のガイドラインでも、血圧を下げることで脳卒中や心筋梗塞などのリスクが下がることが示されています。
治療は、今あるつらさを取るためだけでなく、これからの健康を守るためにも行います。
減塩などの生活習慣の見直しや、必要に応じた薬の治療について、血圧や持病に合わせて考えていきましょう。
🔸 症状がなくても受診したい目安と、急いで対応が必要なケース
症状がなくても受診を考える必要があるときや、急いで対応しなければならないときもあります。
まずは下の図をご覧ください。

健診や家庭で血圧が高いとき
次の値を目安に、症状がなくても医療機関へ相談してください。
測る場所 | 相談したい血圧の目安 |
|---|---|
健診・診察室 | 上が140mmHg以上、または下が90mmHg以上 |
家庭 | 数日間の平均で、上が135mmHg以上、または下が85mmHg以上 |
※上か下のどちらか一方が当てはまる場合も含みます。
1回の測定だけで高血圧と決まるわけではありません。
健診結果や家庭での記録をもとに確認します。
健診で受診を勧められた方は、その案内に従ってください。
基準未満でも高めの値が続く方や、家族に高血圧の方がいる場合は、定期的な測定と生活習慣の見直しを続けましょう。
非常に高い値が出たとき
上が180mmHg以上、または下が120mmHg以上の場合は、症状がなくても、座って安静にしてから測り直してください。
同じような高値が続く場合は、数日間の記録を待たず、その日のうちに医療機関へ連絡し、受診先とタイミングを確認しましょう。
危険な症状があるときは119番
突然の激しい頭痛、強い胸痛、強い息苦しさ、片側の手足に力が入らない、ろれつが回らない、意識がおかしい場合は、血圧の数値にかかわらず119番してください。
測定のために救急要請を遅らせないことが大切です。
🔸 家でできる、血圧の正しい測り方
病院で測る値と家庭で測る値が異なることは珍しくありません。
日本高血圧学会のガイドラインでは、2つの値が異なるときは家庭血圧を優先すると定めています。それだけに、家庭血圧は毎回同じ条件で、正しく測ることが大切です。
測定のポイントは次の3つです。
朝と夜の決まったタイミングで測ること
椅子に座って1〜2分安静にしてから測ること
測った値を記録して受診時に持参すること

血圧計は、手首で測るタイプより、腕の上のほうで測る上腕式が正確とされています。
血圧が高めの方や高血圧の治療で受診された方に、当院で作成した「血圧管理手帳」をお渡しし、日々の血圧を記録していただいています。
記録があると、診察のときに経過をすぐ共有できるので、診断もスムーズです。
血圧は緊張や寒さでも上がるため、1回だけ高い値が出ても心配しすぎる必要はありません。
ただ、朝の血圧が135/85mmHgを超える日が続くようなら、早めの受診を検討してください。
🔸 よくある質問
Q. 病院で測ると高いのに、家で測ると正常です。どちらを信じればいいですか?
A. 正しく測った家庭血圧は、診断の大切な手がかりになります。診察室だけで高くなる「白衣高血圧」や、反対に家庭で高くなる「仮面高血圧」もあるため、家庭での記録を持って相談してください。家庭で正常でも、定期的な確認は続けましょう。
Q. 若い頃から血圧が高めですが、ずっと元気です。放置してもよいですか?
A. 元気に過ごせていても、高い状態が続いているなら一度病院へ相談してください。若い頃から血圧が高い状態が続いているなら、血管へのダメージもそれだけ長く積み重なっている可能性があります。血圧がどの程度高いのか、体への影響がないかを確認していきましょう。
🔸 まとめ|高血圧は「数値で気づく」病気です
高血圧は、自覚症状がないことが多く、元気に過ごせていても確認が必要です。
血圧を適切に管理することが、将来の脳卒中や心臓病などの予防につながります。
健診で血圧が高いと言われた方や、家庭で高い値が続く方は、症状が出るのを待たずに相談しましょう。
健診結果や家庭血圧の記録をもとに、今の状態と必要な対策を一緒に確認していきます。
当院でも高血圧の相談・治療に対応しています。血圧が高くて気になっている方、健診で血圧を指摘された方は、健診結果や家庭血圧の記録を持ってお気軽にご相談ください。
それではまた、次のコラムで!
【参考文献】
A global brief on hypertension: silent killer, global public health crisis(2013)|世界保健機関(WHO)
高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)(2025年8月発刊)|日本高血圧学会