健康診断の数値、これだけ知ればOK!結果票の正しい読み方ガイド
内科
公開日
2026.8.3
更新日
2026.7.31

こんにちは、とどろきLAクリニック 院長の漆畑です。
🌀「結果票を見ても、A・B・Cの判定や数値の意味がよくわからない…」
🌀「基準値を少しだけ超えていたけど、受診したほうがいいのかな?」
そう思いつつ、健診結果を引き出しにしまっている方はいませんか?
結果票は読み方さえわかれば、自分の体の状態を知る心強い手がかりになります。
そこでこの記事では、主な検査項目の基準値と判定の意味を解説していきます。
「気になる数値、何科に相談?」がすぐわかる一覧マップつきなので、手元の結果票と照らし合わせながら読んでみてくださいね。
なお、基準値や判定記号は、健診機関によって異なることがあります。この記事の数値は一般的な目安として、実際の結果票に書かれた指示を優先してください。
🔸 判定記号(A〜E)の意味をまず整理しよう
結果票に並ぶ「A〜E」などの判定記号は、健診機関によって多少の違いがあります。
この記事では、多くの健診機関が参考にしている日本人間ドック学会の判定区分をもとに整理しました。

まず見てほしいのは、自分の結果に「C」か「D」があるかどうかです。
CとDの違いを簡単にいうと、Cは「指定された時期に、再検査や生活改善が必要な段階」です。Dは「医療機関での精密検査や治療が必要な段階」で、緊急度が高めです。
Cと言われたら、忘れないうちに再検査の予定を決めておきましょう。Dの場合は、後回しにせず早めに医療機関を受診してください。
🔸 血圧|「少し高いだけ」を見過ごさないために
健診の血圧は、収縮期血圧(血圧の上の値)と拡張期血圧(血圧の下の値)の2つで示されます。ご自身の値と見比べてみてください。
分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 |
|---|---|---|
正常血圧 | 120 mmHg未満 かつ | 80 mmHg未満 |
正常高値(経過観察) | 120〜129 mmHg かつ | 80 mmHg未満 |
高値血圧(要注意) | 130〜139 mmHg または | 80〜89 mmHg |
高血圧(要受診〜要精密検査) | 140 mmHg以上 または | 90 mmHg以上 |
日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室血圧で140/90 mmHg以上を「高血圧」としています。
血圧の高さは、自覚症状が出にくいものです。気づかないうちに血管へ負担をかけ続け、脳卒中・心筋梗塞・腎臓の病気のリスクを高めていきます。
だからこそ、130/80mmHgを超えたら「気にかけておく」姿勢が大切です。すぐに治療が必要とは限りませんが、生活習慣の見直しや、家庭での血圧測定を始めたい段階です。
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🔸 血糖・HbA1c|空腹時の値だけでなくHbA1cも確認を
血糖の検査で見るのは、次の2つの数値です。
検査項目 | 基準値(正常域) | 要注意域 | 糖尿病が疑われる域 |
|---|---|---|---|
空腹時血糖 | 99 mg/dL以下 | 100〜125 mg/dL | 126 mg/dL以上 |
HbA1c | 5.5%以下 | 5.6〜6.4% | 6.5%以上 |
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を映す数値です。空腹時血糖だけだと「たまたまその日だけ高かった」のか判断しにくいため、HbA1cと合わせて見ます。
たとえばHbA1cが6.0%なら、「糖尿病予備群(境界型)」にあたることがあります。糖尿病と診断される前の段階です。
この時期から生活習慣を見直すと、進行を防げる可能性が高いとされています。自己判断をせず、まずは内科・糖尿病内科に相談してみてください。
🔸 脂質(コレステロール・中性脂肪)|「LDLだけ」見ていませんか?
コレステロールには、血管に脂を運ぶLDL(悪玉)と余分な脂を回収するHDL(善玉)の2種類があります。これに、体のエネルギー源になる中性脂肪を加えた3つの数値をチェックします。
検査項目 | 基準値(正常域) | 境界域 | 異常域 |
|---|---|---|---|
LDLコレステロール(悪玉) | 119 mg/dL以下 | 120〜139 mg/dL | 140 mg/dL以上 |
HDLコレステロール(善玉) | 40 mg/dL以上 | — | 40 mg/dL未満(低いと問題) |
中性脂肪(トリグリセライド) | 149 mg/dL以下 | 150〜299 mg/dL | 300 mg/dL以上 |
中性脂肪を上げるのは油だけではありません。砂糖・アルコール・炭水化物(白米・パン・麺類)の摂りすぎも大きな要因です。
また、空腹でない状態の採血では、特に中性脂肪の値が高く出ることがあります。前日の夜に食事やお酒をとった場合は、再検査で正確な値を確かめるのも大切です。
脂質異常症(高LDL・低HDL・高中性脂肪)は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満に血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態)の診断にも関わります。複数の項目で基準値から外れている方は、早めに生活改善をしていきましょう。
🔸 肝機能・尿酸値|「沈黙の臓器」だからこそチェックを
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。症状が出にくく、数値が上がっていても気づきにくいからです。だからこそ、結果票の数値で早めに気づくことに意味があります。
肝機能(AST・ALT・γ-GTP)
結果票で目にする機会が多いのは、AST・ALT・γ-GTPの3つです。いずれも肝臓の細胞に含まれる酵素で、肝臓が傷つくと血液中に漏れ出して数値が上がります。
検査項目 | 基準値の目安 | 上がる主な原因 |
|---|---|---|
AST(GOT) | 30 U/L以下 | 肝炎・脂肪肝・筋肉の疾患 |
ALT(GPT) | 30 U/L以下 | 脂肪肝・肝炎(肝臓に特に関係) |
γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー) | 50 U/L以下 | お酒・脂肪肝・薬の影響 |
ALTは、ASTよりも「肝臓の炎症」を映しやすい数値です。ALTが高いときは、脂肪肝や慢性肝炎(B型・C型肝炎ウイルスなど)の可能性を調べることがあります。
尿酸値(痛風・高尿酸血症)
尿酸値の基準は7.0 mg/dL以下です。
超えた状態が長く続くと、痛風を起こしてしまうだけでなく、腎臓への負担も積み重なります。
症状がなくても、7.0を超えたら受診を検討してみてください。
痛風発作の経験がある方・尿酸が9.0を超える方・腎機能が低下している方は、早めに治療を始めることがあります。1つでも当てはまる場合は、早めに受診をしましょう。
🔸 気になる数値、何科に相談?|迷わないための一覧マップ
この記事で、とくにお伝えしたいのが、次に紹介する「検査項目別の相談科目一覧マップ」です。結果票を手元に置いて、照らし合わせてみてください。

行き先に迷ったときは、「まずは内科(かかりつけ医)に相談する」で問題ありません。内科医が必要に応じて専門の科へつなぎますので、かかりつけ医を受診してみてください。
🔸 よくある質問
外来でよくいただく質問を2つ、ご紹介します。
Q. 去年はA判定だったのに今年はC判定に。1年でそんなに変わる?
A. はい、1〜2年で数値が大きく動くことはあります。とくに体重の増加・お酒の量の増加・運動不足が重なると、血圧・血糖・中性脂肪は短い期間でも上がりやすくなります。
「去年は大丈夫だったから」と思わず、今年の結果を基に、再検査や受診につなげることが大切です。
Q. 受診の前に、自分でやっておくことはある?
A. 無理な食事制限や急な運動は必要ありません。「何を食べているか・どれくらい動いているか・お酒の量はどのくらいか」をメモしておくと、医師もアドバイスしやすくなります。受診のときは、結果票を持っていくのも忘れないようにしましょう。
🔸 まとめ|結果票は「自分の体を知る手がかり」になる
今日お伝えしたかったのは、健診結果票は正しく読めば「自分の体を知る心強い手がかり」になるということです。
A〜E判定の意味がわかると、次の行動を迷わず決められます
血圧・血糖・脂質・肝機能・尿酸値には、それぞれ「どのくらいで要注意か」の目安があります
「何科かわからない」ときは、まず内科(かかりつけ医)への相談でOKです
C判定は忘れないうちに再検査の予定を、D判定は早めの受診をしましょう
ぜひ今日から結果票を活用してみてください。
当院でも、健康診断結果へのご相談に対応しています。
職場の健診で気になる数値が出た方は、初めての方でもお気軽にご相談ください。
それではまた、次のコラムで!
【参考文献】
判定区分(2026年4月1日改定)|日本人間ドック・予防医療学会
高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)/高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025・2025年8月発刊)|日本高血圧学会
糖尿病診療ガイドライン2024(南江堂, 2024)|日本糖尿病学会
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版(2022)|日本動脈硬化学会
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版[2022年追補版](診断と治療社, 2022)|日本痛風・尿酸核酸学会