健康診断で『再検査』と言われたら?放置が危険な理由と正しい次の一歩
内科
公開日
2026.5.28
更新日
2026.6.1

こんにちは、とどろきLAクリニック 院長の漆畑です。
🌀再検査の通知が来たけれど、とりあえず様子を見よう
🌀仕事も忙しいし、症状もないから、まあ大丈夫かな?
そう思っている方は少なくありません。
ただ、再検査を先延ばしにすると、病気の発見や治療が遅れてしまうことがあります。
この記事では、再検査を放置するリスクと、“次の一歩”の踏み出し方をお伝えします。
🔸「みんなも行っていないから大丈夫」は危険
実は健診で精密検査を促されても、受診まで動ける方は多くはありません。実際のデータや、健診のあとに動けない理由を一緒に見ていきましょう。
健診のあと、どれくらいの方が動けているか
厚生労働省の最新データによると、40~74歳を対象とする特定健康診査を受けた人の割合は、59.9%にとどまっています。
およそ4割の方は、健診そのものを受けていません。
さらに、がん検診で「要精密検査」と言われた方のうち、実際に精密検査を受けたのは大腸がん検診で71.5%。
つまり、3割近くの方が、必要な精密検査につながっていない状況です。
再検査の通知を受け取っても、忙しさや不安から、実際の受診まで進めない方も少なくありません。
「自分は大丈夫」と思いやすい心の働き
人は、自分にとって都合の悪い情報を「自分は大丈夫」と思い込む傾向があります。これを正常性バイアスと言います。
🌀でも、本当に何も症状がないし…
と思うかもしれませんが、そこが実はもっとも注意したいポイントです。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病の多くは、初期には自覚症状が出にくいことがあります。
「症状がない=問題がない」ではないのです。
🔸 放置が招く”静かな重症化”
「症状がないから」と放置した結果、どんなことが起こるのでしょうか。
代表的な2つの例を見てみましょう。
高血圧の場合
血圧が高い状態を放置すると、脳卒中のリスクが大きく上がります。
日本高血圧学会のガイドラインによれば、Ⅰ度高血圧(上が140〜159、下が90〜99mmHg)の方は、血圧が正常な方とくらべて脳卒中のリスクが約3.3倍にも高まります。
「ちょっとオーバーしているだけ」と思いがちですが、放っておくと血管に少しずつダメージがたまっていきます。
糖尿病の場合
血糖値の異常を放置すると、合併症が静かに進行します。
代表的なのが、神経障害・網膜症・腎症の3つです。
気づいたときには、目が見えにくくなっていたり、人工透析が必要になっていたりすることも。
糖尿病は、いま日本で人工透析が必要になる原因の第1位にもなっています。
生活改善で数値が戻る場合もありますが、自己判断で放置しないことが大切です。
実際に当院でも、健診の指摘から1年以上経って来られる方は珍しくありません。

🔸 何科に行けばいいの?どう伝えればいい?
「再検査と言われても、どこに行けばいいかわからない」という声をよくお聞きします。
対処方法を一緒に整理していきましょう。
項目別の目安
血圧・血糖・コレステロール・肝機能・尿検査の異常などは、どれも内科で対応できます。
内科医が結果を見たうえで、必要であれば専門科をご案内します。
迷ったら、まずは内科を受診しましょう。
受診のときに伝えること
初診で慌てないように、こんな準備をしておくと安心です。
健康診断の結果票
過去の健診結果
いま飲んでいる薬・サプリのメモ
気になっている症状
伝え方は、「健康診断で○○の数値が引っかかり、再検査と言われました。」だけで十分です。
当院でも、健診結果票をお持ちいただいた方には、どの数値が問題でどう対応すべきかを、患者さんと一緒に確認しながら診察を進めています。

🔸 健診結果票で押さえておきたい6つのサイン
ご自身の結果票が手元にある方は、下のチェックリストに当てはまる項目がないか確認してみてください。

血圧・血糖・コレステロール・肝機能・尿たんぱく――どれか一つでも引っかかっていれば、早めの受診をおすすめします。
「基準値ギリギリだから大丈夫」と思いがちです。
でも、毎年じわじわと数値が悪くなっているケースも少なくありません。
年ごとの変化を見るためにも、過去の結果と一緒に持参いただけると診察がスムーズです。
🔸 受診を先延ばしにしない「仕組み」を作ろう
「予約の手間」「どこへ行けばいいか迷う時間」――これだけで受診を後回しにしてしまう方は多いものです。
だからこそ、気軽に相談できるかかりつけ内科医を持っておくと、長い目で見て安心です。
かかりつけ医がいれば、
健診結果を一緒に見てもらえる
「この数値、どれくらい心配?」が気軽に聞ける
必要なら専門科へスムーズに紹介してもらえる
という流れが自然に生まれます。
🔸 よくある質問
Q.再検査はどのくらいの期間以内に行けばいいですか?
A.結果票に書かれた受診期限を必ず守るようにしてください。
期限がはっきり書かれていなく、「要精密検査」と書かれている場合は、特に早めの受診をおすすめします。
Q.毎年同じ項目で引っかかっています。慣れているので大丈夫?
A.「毎年同じ」は、安心の根拠にはなりません。
むしろ、慢性的に異常が続いている可能性があります。
早めに内科受診をして、いまの状態を確認しておきましょう。
Q.再検査の費用はどれくらいかかりますか?
A.検査項目によって費用は異なるため、受診する医院にご確認ください。
なお、再検査・精密検査は健康保険が使えます。
🔸 まとめ|再検査の通知は、行動を起こすチャンス
健診で「再検査」と言われても、症状がないと「まあ大丈夫」と思いがちです。
でも、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病は、症状がないまま静かに進行することが多く、放置のリスクは決して小さくありません。
再検査の行き先に迷ったら、まずは「内科」を受診しましょう。
気軽に相談できるかかりつけ医を持っておくことが、先延ばしを防ぐいちばんの仕組みになります。
「今さら気まずい」と感じる方も少なくありません。
でも、同じ気持ちで来られる方は当院にもたくさんいらっしゃいます。
気になったいまこそ、動き出すタイミングです。
当院でも、健診後の再検査や生活習慣病のご相談に対応しています。
健診結果票をもとに医師が内容を確認し、必要に応じて、
追加検査の必要性についてのご相談
お薬の調整
日常生活に取り入れやすい食事や運動の提案
などをご案内します。
スマートフォンからもご予約いただけますので、ぜひご活用ください。
【参考文献】
厚生労働省「2023年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」(2025)
国立がん研究センター「がん検診の都道府県別プロセス指標」(元データ:厚生労働省「令和5年度地域保健・健康増進事業報告」)日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)』2025
日本糖尿病学会編・著『糖尿病診療ガイドライン2024』南江堂;2024