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溶連菌は家族・大人にうつる?感染経路・潜伏期間と家庭内感染を減らす方法 

  • 内科

  • 小児科

公開日

2026.6.6

更新日

2026.6.5

こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。

🌀 こどもが溶連菌と診断された。きょうだいや親にもうつってしまうの?

🌀 どこまで気をつければいいのか、何をしたらいいのかわからない…


「やるべきこと」と「やらなくていいこと」を整理すると、家庭での対応がわかりやすくなります。

「シリーズ:溶連菌感染症を正しく知る」第3回では、感染経路や家庭内感染を減らすポイントを解説します。

ご家庭での溶連菌対策の参考にしてください。


▶︎ 関連記事はこちら「こどもが溶連菌に感染したら?症状・治療・登園・登校再開の目安

🔸 溶連菌の感染経路をまず知っておこう

溶連菌(A群β溶血性レンサ球菌)は「飛沫感染」と「接触感染」の2つの経路で広がります。


  • 飛沫感染:くしゃみ・会話などで出された菌を吸い込むことで起こる

  • 接触感染:感染者の唾液に触れた手が口・鼻の粘膜に触れることで起こる


この2つの感染経路を踏まえると、飛沫を広げにくくするマスクと、菌がついた手で口や鼻を触らないための手洗いが大切です。


なお、食器やタオルなど物を介した感染はまれで、空気感染もしにくいとされています。

海外の研究では、溶連菌感染者がいると家族の10%が感染し、咽頭炎があると25%に上昇するとされています。

家庭内では、近距離の会話・食事・添い寝などが主な感染リスクです。

🔸 溶連菌感染症の潜伏期間はどのくらい?「いつまで注意すべきか」の目安

潜伏期間と感染しやすい期間の目安を確認しましょう。

感染から発症まで2〜5日程度

潜伏期間は2〜5日以内が多いとされています。

同居のご家族は、お子さんが発症したときにすでに濃厚接触していることがほとんどです。

そのため、症状が出るとしたらお子さんの発症から数日以内が多いと思われます。

感染性はいつまで続くの?

抗菌薬を飲み始めてから24時間で感染性は低下します


治療前は感染性が高いため、「病院に行く前・当日」の対策が重要です。

特に咳や鼻水がなく、のどの痛みや発熱がある場合は溶連菌性咽頭炎かもしれません。

早めに受診することが家族全体を守ることにつながります。

🔸 溶連菌の家庭内感染を減らす3つのポイント

家庭内感染を減らす基本対策を紹介します。

すべてを完璧に行うより、優先順位を意識しましょう。

✅ マスクの着用

溶連菌は飛沫を吸い込むことで感染するので、症状がある方はマスクを着用することが感染予防に効果的です。

2歳未満のお子さんのマスク着用は推奨されていませんが、溶連菌性咽頭炎は3歳未満はまれとされています。

マスクを着用できる年齢の子が多いと思いますが、どうしても難しい場合は保護者がマスクをしてケアをするとよいでしょう。

✅ こまめな手洗い・手指消毒

溶連菌は唾液を触った手を介して感染します。

ケアのあと、特によだれを拭いたり食事の介助をしたあとは、石けんで手を洗うかアルコールで消毒しましょう。

どちらも20秒以上かけてしっかり行うことが大切です。

✅ 症状が出たらすぐ受診・治療を開始

マスクや手洗いの大切さはわかっていても、しっかりと続けるのはなかなか大変だと思います。

溶連菌性咽頭炎は抗菌薬開始から24時間で感染性がほぼ消失しますので、早めに治療することは感染予防としても有効です。

🔸 やりすぎなくて大丈夫|家庭での対策の考え方

🌀 念のため食器を煮沸消毒している。布団も全部洗った方がいい?


と心配になる気持ちもよく分かります。

ここでは、不要な対策とその理由を確認しましょう。

食器の煮沸消毒・部屋全体の消毒は不要です

溶連菌は主に飛沫感染や接触感染で広がります。

物を介した感染はまれなので、食器は通常の洗剤でしっかり洗う程度で十分です。

部屋全体の消毒も不要です。

隔離は無理のない範囲で

理論上は、症状のあるお子さんを隔離したほうが感染予防には有効です。

ただし、こどもでは、完全に隔離すると体調の変化に気づきにくくなることもあります

ご家庭では無理のない範囲で対応しましょう。

治療開始から24時間で感染性がほぼ消失しますので、過度に心配しすぎる必要はありません。

🔸 溶連菌は大人もうつるの?

溶連菌はこどもだけの病気ではありません。

大人も感染し、のどの痛みや発熱などの症状が出ることがあります。

ただし、大人ではこどもに比べて溶連菌性咽頭炎は少ないとされています。

ご家族に溶連菌性咽頭炎の方がいて、ご自身にものどの痛みや発熱がある場合は、早めに受診しましょう。

🔸 よくある質問(予防・検査について)

きょうだいへの対応や無症状の家族の検査など、迷いやすい点をQ&Aでまとめました。

Q. こどもが溶連菌と診断されました。きょうだいも抗菌薬を予防で飲ませた方がいいですか?

無症状のきょうだいへの予防的な抗菌薬投与は通常不要です。

できる範囲でマスク着用・手洗い・隔離を行い、のどの痛みや発熱が出た場合は、早めに受診して検査を受けましょう。

Q. 家族が感染しているかどうか、症状がなくても検査すべきですか?

症状がない場合は検査をおすすめしていません。

のどの痛みや発熱などの症状が出てきたタイミングで受診しましょう。

🔸 まとめ|溶連菌の家庭内感染を減らすためのポイント

溶連菌の感染経路は、飛沫感染と接触感染が中心で、物を介した感染や空気感染はまれです。

そのため、家庭内ではマスクと手洗いを基本に感染予防対策をしましょう。

また、食器の特別な消毒や部屋全体の消毒は不要で、隔離も無理のない範囲で十分です。


抗菌薬を開始してから24時間で感染性は低下するため、のどの痛みや発熱がある方は、早めに受診しましょう。


当院はファミリークリニックのため、こどもだけでなく、大人の方もご一緒に診察できます。

不安なことがあれば遠慮なくご相談ください。


▶︎ 【東京都等々力駅徒歩4分】Web予約はこちらから


このコラムが少しでも参考になればうれしいです。


【参考文献】

  1. Centers for Disease Control and Prevention Clinical Considerations for Group A Streptococcus

  2. Musher DM. How contagious are common respiratory tract infections? N Engl J Med, 2003, 348巻, 13号, p1256-1266

  3. Centers for Disease Control and Prevention Clinical Guidance for Group A Streptococcal Pharyngitis

  4. Wessels MR. Streptococcal pharyngitis. N Engl J Med, 2011, 364巻, 7号, p648-655

  5. 日本小児科学会 乳幼児のマスク着用の考え方

  6. Shulman ST, et al. Clinical Practice Guideline for the Diagnosis and Management of Group A Streptococcal Pharyngitis: 2012 Update by the Infectious Diseases Society of America. Clinical Infectious Diseases, 2012, 55巻, 10号, pe86-e102

  7. Glowicz JB, et al. SHEA/IDSA/APIC Practice Recommendation: Strategies to prevent healthcare-associated infections through hand hygiene: 2022 Update. Infect Control Hosp Epidemiol, 2023, 44巻, 3号, p355-376

  8. Centers for Disease Control and Prevention Preventing Group A Strep Infection

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