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インフルエンザは市販薬で治る?選び方と注意点 

  • 内科

  • 小児科

公開日

2026.3.12

更新日

2026.6.1

こんにちは!とどろきLAクリニック 小児科医の寺田です。

🌀 熱がつらいけど…市販薬を飲んでいいの?

🌀 こどもに市販のかぜ薬を使っても大丈夫?

そのような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは「シリーズ:インフルエンザを正しく知る」第3回として、インフルエンザで市販薬を使うときのポイントを解説します。

🔸 インフルエンザに市販薬は使える?

インフルエンザが疑われるとき、「家にある市販薬でまず何とかしたい」と感じる方は少なくありません。

ただし、市販薬はインフルエンザ自体を治す薬ではなく、症状を和らげて回復を支えるためのものです。

目的を理解したうえで、適切に使うことが大切です。

インフルエンザ治療薬はドラッグストアでは手に入らない

インフルエンザウイルスそのものを抑える「タミフル®」や「ゾフルーザ®」は、ドラッグストアで購入できません。

ただし、これらの薬はすべての方に必要というわけではありません。

持病や重症化リスクがない方であれば、ウイルスを抑える薬を使用しなくても、体に備わる免疫の力によって回復していくことがあります。水分・栄養・睡眠をしっかりとり、体を休めることが大切です。

※ただし、一部の方は受診が必要です。受診の目安については、以下の記事も参考にしてください。

▶︎ 関連記事はこちら「インフルエンザはいつ病院に行くべき?受診の目安と危険な症状を解説

市販薬でもできること

市販薬でできるのは、発熱や頭痛などの症状を和らげることです。

適切に使うことで、つらい症状を和らげながら、回復までの時間を過ごしやすくなります。

市販薬は、医療機関を受診しなくても購入できる便利な薬です。

ただし、自己判断で使うことになるため、いくつか注意すべきポイントがあります。

🔸 市販薬を使う前に確認したい3つのこと

ここでは、市販薬を飲む前に確認したい3つのポイントと、病院へ行く判断の目安を解説します。

① こども|特に2歳未満は受診を優先する

2歳未満のお子さんは症状をうまく伝えられません。体も小さく免疫機能も未熟なため、症状が急激に悪化することがあります。

そのため、市販薬で様子を見るよりも、医療機関の受診を優先しましょう。

また、2歳以上のこどもでも、このあと紹介する「使用を避けたほうがよい成分」が含まれていることもあるため注意が必要です。

② 成分の重複・飲み合わせに注意する

総合感冒薬には複数の成分が含まれており、他の薬と成分が重複してしまうこともあります。

たとえば花粉症の薬や頭痛薬など、普段から服用している方は注意が必要です。

すでに薬を服用している方は、購入前に薬剤師へ相談しましょう。

③ 受診が必要なサインを確認する

市販薬で様子を見る場合でも、「どのような状態なら受診が必要か」という目安を、あらかじめ確認しておくことが大切です。

このあと紹介する「受診を検討してほしい症状」を先に確認しておくと安心です。

<まとめ:市販薬を使う前に確認したい3つのこと>

受診を検討してほしい症状

以下のような症状がある場合は、脱水や肺炎などの合併症が疑われます。

市販薬で様子を見るよりも病院の受診を検討してください。

<すぐに受診すべき症状>

  • 高熱が続く

  • 水分が十分にとれない

  • 呼吸が苦しい

  • (こどもの場合)ぐったりしている

これらに当てはまらない場合でも、市販薬で症状がよくならないときや、様子を見てよいか迷うときは、遠慮せず受診しましょう。

🔸 インフルエンザで市販薬を使うときの3つのポイント

①「クロルフェニラミンマレイン酸塩」が含まれていないか

「クロルフェニラミンマレイン酸塩」という鼻汁を抑える成分には注意が必要です。

小児では難治性のけいれんとの関連が指摘されているため、多くの小児科では使用を避けています。

また、成人では眠気や口の渇きなどの副作用が出ることがあります。他にも、緑内障や前立腺肥大などの持病がある方では症状を悪化させるおそれがあるため、使用は控えたほうがよいでしょう。

②こどもに安全に使える解熱鎮痛薬は「アセトアミノフェン」

熱を下げ、痛みを和らげる解熱鎮痛薬には、さまざまな成分があります。

小児のインフルエンザによる発熱に対しては、解熱鎮痛薬としてアセトアミノフェンが適切とされています。

特に小児用ではない市販薬には、「アセトアミノフェン」以外の成分が含まれていることもあるため、購入・服用前に成分表示を確認しましょう。

なお、成人では「アセトアミノフェン」以外の成分が使用されることもあります。

③「アセトアミノフェン」のみの薬であれば使いやすい

有効成分が「アセトアミノフェン」のみの薬であれば、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」など別の成分を含まないため、こどもにも使いやすいです。

飲み合わせや成分の重複が問題になりにくい点も利点です。

🔸 まとめ|インフルエンザでも市販薬は活用できるが注意点もある

市販薬は、インフルエンザウイルスそのものを抑えることはできません。

しかし、適切に使えば、つらいインフルエンザの症状を和らげ、療養の助けになります。

特に、複数の成分が含まれる総合感冒薬は、飲み合わせや成分の重複が起こりやすく使いにくい場合もあります。

「クロルフェニラミンマレイン酸塩」などのこども・成人ともに使用を避けたい成分が含まれていることも注意が必要です。

一方、有効成分が「アセトアミノフェン」のみの薬であれば、比較的活用しやすいでしょう。

ただし、2歳未満のこどもや、それ以上の年齢の方でも重い症状がある場合、または市販薬を使っても改善しないときは、早めに医療機関を受診しましょう。

当院では小児から大人までインフルエンザの診療を行っています。

ご家族で同時に受診いただくことも可能ですので、症状や市販薬の使い方で迷ったときはお気軽にご相談ください。

▶︎ 【とどろき駅から徒歩4分】当院への受診はWeb予約をご利用ください


【参考文献】

  1. 厚生労働省: インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について(平成13年5月30日)

  2. 厚生労働省: 小児用かぜ薬・鎮咳去痰薬等の安全対策について(平成21年5月8日)

  3. Bousquet J, Khaltaev N, Cruz AA, Denburg J, Fokkens WJ, Togias A, et al. Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma (ARIA) 2008 update (in collaboration with the World Health Organization, GA(2)LEN and AllerGen). Allergy, 2008, 63巻, Suppl 86, p8-160.

  4. Kim JH, Ha EK, Han B, et al. First-Generation Antihistamines and Seizures in Young Children. JAMA Network Open, 2024, 7巻, 8号, e2429654.

  5. Infectious Diseases Society of America (IDSA): Clinical Practice Guideline Update for the Diagnosis, Treatment, Chemoprophylaxis, and Institutional Outbreak Management of Seasonal Influenza (2018)

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